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【プレスリリース】AIで熟練度を「見える化」し、製造現場の人材育成を革新 ~静岡大学とヤマハ発動機による産学連携研究が国際学会誌に採択~
静岡大学とヤマハ発動機株式会社が取り組んだ共同研究講座「YMCスマートファクトリ講座」における研究成果が、国際学術誌 Computers & Industrial Engineering に採択されました。
本研究では、組立作業における作業プロセスをAIが認識し、その結果を新人作業者へのフィードバックとして活用する新しい人材育成手法を提案しています。
静岡大学情報学部とヤマハ発動機株式会社は、2020年に製造業として初めてとなる共同研究講座「YMCスマートファクトリ講座」を設置し、現場課題に即した研究開発を推進してきました。このたび、その成果の一つである“Cross-Silo Human Training in Operational Assembly: Integrating Machine Feedback for Enhanced Efficiency”が、国際的に著名な学術誌 Computers & Industrial Engineering に採択されました。
本研究では、多品種少量生産の組立現場における作業者育成を目的として、作業行動認識を行うAIを用いた機械フィードバック型人材育成法を提案しています。実際のバイク組立工程を模した作業タスクを設計し、作業者視点の映像データから作業行動を認識するAIモデルを組み込んだ作業訓練システム FIELDS ( Feedback Integrated Expert Level Description System) を構築しました。
FIELDSは、工程抜けや工程順序の乱れ、作業時間超過といった作業の熟練度をフィードバックすることができ、実証実験の結果、AIによる機械フィードバックが作業者の熟練度認識を高め、作業改善を促進することを確認しました。AIモデルは熟練者の標準作業動作を学習して構築しており、製造現場の人材育成におけるAI活用の新しい可能性を示しています。現在、実環境下での試験導入を進めており、より実用的なシステム構築を目指しています。
【研究者コメント】
静岡大学 情報学部 グリーンAI研究コア 准教授 山本 泰生
「AIによる機械フィードバックが、組立作業という複雑な人動作の習得に対して有効であることがわかりました。今後、実現場の匠の熟練に迫るAI開発を推進していきます。」
ヤマハ発動機株式会社 生産技術本部 青木 崇浩
「産学連携により、現場課題に即した実践的な技術開発が可能となりました。今後も人を中心としたものづくり革新を加速させます。」

FIELDSのコンセプト:機械フィードバックを用いた組立作業教育
【論文情報】
・掲載誌:Computers & Industrial Engineering
・論文タイトル:Cross-Silo Human Training in Operational Assembly: Integrating Machine Feedback for Enhanced Efficiency
・論文リンク:https://doi.org/10.1016/j.cie.2025.111774
・共同研究者:(静岡大学)中村 光伴、上山 太郎、西村 雅史、山本 泰生
(ヤマハ発動機)青木 崇浩、中野 貴行、ダルマ・プラナタ、加納 周
・キーワード:スマートファクトリ、行動認識モデル、組立作業教育、産学連携
