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イベント 2025.06.18

第1回グリーンサイエンスカフェ(2025年度)開催報告

「サトイモが地球を救う? 〜縄文人と現代をつなぐ根っこの話〜」

2025年6月15日(土)、静岡大学静岡キャンパスにて、令和7(2025)年度 第1回グリーンサイエンスカフェが開催されました。今回のテーマは、農学専攻の本橋令子先生による講演「サトイモが地球を救う? 〜縄文人と現代をつなぐ根っこの話〜」。サトイモという身近な作物に焦点を当て、その渡来起源や歴史的背景、さらには遺伝子解析に基づく最新研究に至るまで、幅広い視点から語られる充実した内容となりました。

イベント概要

講演では、サトイモ(Colocasia esculenta)の起源がインド・中国地域にあることや、東南アジアで発展した根裁農耕文化とともに栽培が始まり、日本には縄文時代に伝わった可能性があるという説が紹介されました。本橋先生は、国内外の調査を通じて得られた知見や、文献・遺跡の研究成果をもとに、稲作が始まる以前の日本人の食文化におけるサトイモの重要性を解説。

加えて、サトイモの種子や地下茎を用いた系統解析の研究や、世界各地のサトイモ栽培の現地調査の経験談も交えながら、農学・遺伝学・考古学といった学際的な視点で話が展開されました。まさに「縄文人のお腹を満たしていたかもしれないサトイモ」の歴史と科学が交錯する内容に、会場は興味津々の様子でした。

参加者の反応

当日は小学生から70代まで、幅広い年齢層が参加。
講演後には小中学生から大人まで活発に質問が飛び交い、テーマの親しみやすさと学際的な奥深さがうかがえました。参加者からは以下のような声が寄せられました。

  • 「サトイモがどこから来たのか、なぜ食べられていたのかなど、いろいろ知ることができて良かったです」

  • 「農学や遺伝学だけでなく、考古学や作物の歴史などの分野にまたがる研究はとても興味深い」

  • 「サトイモの話を聞いた後、子どもと『里芋もっと食べよう』と話しながら帰りました」

また、「討論会もお願いします」といった意欲的なご意見や、「地元の静岡大学の先生や学生さんに会えるのが楽しみ」といった継続的なご参加への期待も多く寄せられました。

イベントのまとめ

本橋先生の講演は、身近な食材から歴史・科学・文化を紐解く貴重な機会となりました。サトイモというテーマを通して、植物の進化や人類の生活史にまで思いを巡らせる科学の奥深さを、年齢を問わず参加者全員が実感できた回でした。

グリーンサイエンスカフェは今後も、小学生から大人まで幅広い層が楽しめる科学の場として開催してまいります。次回のご参加もお待ちしております!

次回のお知らせ

 

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